消費税率の引き上げが2019年10月に実施予定となっております。

消費税率が8%から10%に上がると同時に、食品(外食・酒類を除く)などを対象に軽減税率が導入されます。

そこで、今回は消費税の基本的な仕組みと課税事業者についてまとめてみました。

①消費税の仕組み

消費税は最終的に消費者が負担する仕組みとなっています。

ここで、売り手の事業者は買い手から預かった消費税を国に支払います。

(例) A:作家  B:出版社 C:読者

原稿料:500円(税抜き)

本代:1,000円(税抜き)

なお、消費税率は10%で、作家の経費や源泉税は考慮しておりません。

A:作家

出版社から報酬として原稿料500円と消費税50円をもらう。

作家が課税事業者(②で説明)の場合は、50円を国に支払う。

B:出版社

読者から本代として1,000円と消費税100円をもらう。

出版社が課税事業者(②で説明)の場合は、読者からもらった消費税100円より、作家に支払った50円を差し引いた50円を国に支払う。

C:読者

出版社に本代として1,000円と消費税100円を支払う。

消費税を国に直接支払っているわけではないが、読者の代わりに出版社と作家が50円ずつ合計100円を国に支払っている。

以上が消費税の基本的な仕組みになります。

②消費税の課税事業者について

消費税の課税事業者とは、2年前の売上が1,000万円以上の事業者です(例外もありますが、ここでは詳しく触れません)。

消費税の課税事業者は、お客様から預かった消費税から、経費として支払った消費税を差し引いた金額を国に支払う義務があります。

上記①の出版社は課税事業者のため、読者からもらった100円から作家に支払った50円を差し引いた50円を国に支払っていました。

ここで、年収1,000万円未満の小規模事業者の場合は免税事業者となり、お客様から預かった消費税を国に支払う義務が免除されています。

上記①の作家が免税事業者だった場合には、出版社からもらった消費税50円は国に支払わなくてよいことになります(益税と呼ばれています)。

長くなりましたので、免税事業者の話は次回に続きます