こんにちは。

前回の更新から間があいてしまい、申し訳ありません。。

さて、前回では生産緑地法の改正について簡単に取り上げました。

2018年4月に生産緑地法の改正を行うことで、2022年以降に都市部で農地の売り出しが集中することを防ごうとしています。

今回は、生産緑地法の改正に伴う生産緑地に係る税制の見直しについて、解説します。

生産緑地に係る税制の見直し

①相続税の納税猶予における「特定農地等」の範囲の拡大

農地を相続した場合、一定の要件を満たせば納税が猶予されます。

これには、相続対象となる農地が「特定農地等」である要件が含まれます。

今回の改正により「特定農地等」に、生産緑地の指定を延長された「特定生産緑地」である農地等、また三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)の特定市(区)における「田園住居地域」にある農地が追加されました。

➡よって、今後次の世代が相続税の納税猶予を受けるためには、「特定生産緑地」の指定を受ける必要があると考えられます。

②市民農園等への貸付けにおける相続税の納税猶予の適用拡大

  • 納税猶予の適用を受ける相続人が、市町村長の認定を受けた認定事業計画に基づいて、他の農業者に直接農地を貸し付ける場合
  • 地方公共団体や農業協同組合が農業委員会の承認を受けて開設する市民農園の開設者に農地を貸し付ける場合
  • 農地の所有者が農業委員会の承認を受けて市民農園を開設し、利用者に直接農地を貸し付ける場合
  • 地方公共団体や農業協同組合以外の者(株式会社など)が農業委員会の承認を受けて開設する市民農園の開設者に農地を貸し付ける場合

上記の貸付けについて、貸付けを行った日から2か月以内に納税地の所轄税務署長へ届け出ることにより、貸付けに係る地上権、永小作権、使用貸借による権利または賃借権の設定はなかったものとみなされ、かつ農業経営も廃止していないものとみなされることになり、相続税の納税猶予の適用を受けることができることになりました。

➡従来は相続後も自ら農業を行う必要がありましたが、改正後は相続開始後に自ら農業を行わなくとも、納税猶予が認められることになりました。